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お知らせ

新戸部八州男理事長から年頭のご挨拶

2019.01.07

おしらせ

年頭所感
理事長 新戸部 八州男

あけましておめでとうございます。おだやかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
自動車業界は昨年、大荒れの年だったように感じます。燃費偽装に始まり、完成検査の不正、有価証券報告書への虚偽記載容疑など企業の信頼を問われる事件が次々と発覚しました。業界周辺企業でも耐震免震機器の検査偽装などが多発しました。コンプライアンスが叫ばれるようになり何年もたっている中で、日本の物づくりの信頼性が問われる状況になっています。
そういった中で、自動車における世界の技術革新はこれまでにないスピードで進んでいます。レベル4以上の自動運転車の市販が発表されるなど社会の注目を浴びるものから、素材やパワートレーンの進化、ユニコーン企業によるセンサーの革新など、車づくりに関わる業界は日進月歩どころか時進日歩です。
2020東京オリンピックの開催が迫り、2025年大阪万博の開催が決定し,大都市は大規模な投資が行われ、開催に向けて採用活動も活発になっています。それに対して地方は社会保障費やインフラの更新により財政が逼迫し水道民営化の議論が行われるなど緊縮ムードが漂っています。都市と地方の格差が広がっています。団塊の世代のリタイヤにより人材不足となり、少子化により新卒者が減少し、都市・地方を問わずに採用難になっています。
自動車アフターマーケットでも少子化が進む中で、さらに若者の車離れにより、自動車整備を志す若者が少なくなり、ディーラー・整備事業者での争奪戦になっています。
ただ、他業界との比較で考えると自動車アフターマーケットは恵まれているのではないでしょうか? 衝突軽減装置の導入により事故は減少しますが、車両の寿命は延びる傾向にあります。長寿命化に伴い車検やメンテナンスの回数は伸びて行くことになります。登録台数は微減ですが、人口減少程度に留まり、特に地方では公共交通機関が整備されておらず、自動車は移動手段、運送手段としてなくてはならないものになっています。都市部では確かにカーシェアなどにより保有台数が減少しますが、使用頻度が上がり、メンテナンスの必要性や新しいアフターマーケットビジネスが生まれてくることが考えられます。ディーラー・整備事業者のメンテナンスの拠点は後継者難、人材難で減少していますが、残った所に集中し経営は安定してくることが予想されます。確かに整備は自動車の電子化などで高度化されていくものと考えられますが、電子についてはAIによる整備サポート技術の開発が行われており、やがて解決するものと思われます。
たとえ自動運転車が予想より速いスピードで普及したとしても現在走っている車は今後も平均13年に迫る寿命の間は走り続け、アフターメンテナンスの需要を支えてくれます。
今、私たち地域部品商にとって大切な事はいたずらに未来を憂えて萎縮するのではなく、現在行っている仕事をお客様である自整業の方々の要望にマッチしたものへ進化させること、自整業の方々とともに新しいアフターマーケットの可能性を切り開いていくことにあると考えます。地方ではもう既に地域の最後の自整業が廃業し整備難民が出てきています。人材難にあえいでいる自整業の方とどのような形で人材を確保していくのか、都市部ではカーシェアのクルマの日常的な清掃やメンテナンスなどの新しいビジネスの可能性が生まれつつあります。お客様である自整業様やカーユーザーのために私たち地域部品商が何をするべきかを真剣に考えることが求められています。
全部協は組合員の皆様がこの大変革の時代に、経営を安定させ、さらに発展させていくことができるよう事業を展開して参りました。昨年はETC2.0の事業者となり、組合員の皆様がETC車載器のセットアップにより収益の一助となる基盤をつくることができました。また、全部協モールにデッドストックの登録が可能となり、組合員の現場で発生したデッドストックを共有し販売できるようになりました。またネット通販に対抗できるよう、全部協ツールモールも開設させて頂くことができました。本年はこれらのスタートアップ事業を軌道に乗せ、収益事業として組合運営の基本的資金を確保できるよう活動して参ります。組合員の皆様のご協力を切にお願い申し上げます。
本年が皆様に取りまして、発展飛躍の年になりますことをお祈り申し上げます。
本年もうどうぞよろしくお願い申し上げます。

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