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お知らせ
令和8年 年頭のご挨拶
2026.01.01
おしらせ
理事長 森川 等
あけましておめでとうございます。皆様方におかれましては穏やかな新春を迎えられていることとお慶び申し上げます。昨年を振り返りますと、4月に米国のトランプ大統領が日本からの輸入品に対し24%の関税を課すと発表しました。この中には自動車および自動車部品も含まれています。このトランプ関税は日本の自動車産業とそれを支えるサプライチェーンに多大な影響を与えており、完成車メーカーや部品メーカーは関税コストの増加や販売台数の減少による業績悪化などの影響を受けています。関税交渉の結果、関税率は引き下げられましたがそれでもなお大きな負担となっており、経営戦略の見直しを余儀なくされています。私たち部品商はアフターマーケットにおいてラストワンマイルを担っていると自負していますが、このトランプ関税の影響が様々な業界に及ぶことで、経営環境が大きく変わり我々の今後の戦略や方向性の見直しを余儀なくされる可能性も考えられます。その一方で「EXPO2025大阪・関西万博」が開催され、多くの来場者で賑わいました。また「令和の米騒動」も発生し備蓄米の放出をめぐって混乱が生じました。昭和100年にあたる年として、日本の近代史を振り返る機会だという声も多く聞かれましたが、私たちを取り巻く様々なことがビジネス環境に影響を及ぼした1年でもありました。
近年のデジタル需要の増加にともない、自動車産業にもあらゆる方面でデジタル化が進んでいます。一例としてカーシェアリングでもデジタルキーを採用したり、車の利用状況確認やキャンセル待ちの登録ができるようにしたりと、ユーザーの利便性向上につながるデジタル技術は欠かせなくなっています。中でも、IoT技術を活用したコネクテッドカーは、車両の状態や道路状況などあらゆるデータをセンサーで取得、分析することで安全性や快適性を実現しています。また、緊急通知システムや盗難車両追跡システムなどが備わり、さらなる市場の拡大も予想されています。それとともに、生成AIの進化は、自動車産業に大きな変化をもらたしており、自動車メーカー各社は生成AIの自動運転への応用でしのぎを削っている状況です。従来の自動運転は、システムによる状況把握や判断をエンジニアがあらかじめプログラムしておく「ルールベース」という考え方を主流にしていましたが、ルールベースはほとんどの状況に対応できるものの、低い確率で遭遇する複雑な状況に対応するのは困難です。生成AIは、こうした自動運転の技術的な困難を突破する可能性があると言われています。
今後このような車が普及しストックされていくと、私たちの顧客である自動車整備業ではハイブリッド車やPHV車ばかりではなくEVや自動運転技術の進化にも対応するため、仕事内容が高度化・専門化することは確実です。技術の変化に柔軟に対応し新しい知識やスキルを積極的に習得することで、「工具の技術者」から「ITと機械を融合できる専門職」になっていくであろうと予測されています。
このようなことを踏まえ、私たち部品商は注文された商品を正確にお届けするだけにとどまらず、整備業のデジタル化、技術革新と業務効率化をサポートし、顧客である整備業者の皆様に必要な知識、情報、整備機器を提供すると同時に問題解決のために協力していくことが重要な役割と考えています。
昨年、東京ビックサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2025」では、各ブースに多様なモビリティが集結し未来社会の縮図を感じさせる空間となっていました。中でも「働くクルマの進化」は著しく、特に大型商用車の領域で「水素」が主役になっていることは今後の業界全体の潮流を示しているように思えます。バッテリーEVが次世代自動車の主流のひとつとして急速に進化する一方で、大型トラックは航続距離や充電時間、積載量の制約が壁となっています。そうした中、水素を利用した燃料電池や水素エンジン採用による環境に配慮したゼロエミッション化は、未来の構想ではなく現実的な解として動き出したと言えるのではないでしょうか。
全部協は技術革新、顧客ニーズや消費行動の変化に焦点を当てています。今後さらに進展するであろうデジタル技術の自動車への応用、生成AIを利用した自動運転技術は私たちの未来を展望する重要な要素です。AIやデジタル技術を活用し、人手不足解消や競争力の維持を実現し、市場変化に対応する必要があると考えます。また、SDGsの普及とともに昨今ではエシカル消費が注目されています。今後は環境や社会に優しい商品とサービスの提供が求められると考えています。
スピードを上げて次々と押し寄せてくる自動車業界の変化の中、取り組むべき課題は山積していますが、私たち全部協は自動車アフターマーケットの発展のため、より一層尽力してまいる所存です。
最後になりますが、皆様方のさらなるご発展を祈願申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。